記事: リポバッテリーを安全に使用する方法とは?電動ガン・充電・保管を完全解説
リポバッテリーを安全に使用する方法とは?電動ガン・充電・保管を完全解説
最近の海外製電動ガンでも使われるようになっている「LiPoバッテリー(リポバッテリー)」。
エアガンにまつわる話でよく
「リポ化したらセミオートのキレが上がった!」
「レスポンスが良くなった!」
というのが話題に上がることがあります。
日本では東京マルイ製電動ガン「P-90プラス」でも採用された事により、広く認知されつつあります。
一方、リポバッテリーについてお調べになった方は
「リポバッテリーは発火するから危険」
「扱いが難しそう」
などの印象をお持ちなのではないでしょうか?
しかし、難しい事はありません。
リポバッテリーが手元に届いたらまず、付属の取扱説明書・注意書・警告書に目を通してください。
安全に末永く使用するには、正しい使用方法でご利用いただく必要があります!
究極的に言えばそれだけです。
説明書に書いていない特殊な事を必要としている訳ではありません。
ここでは、リポバッテリーについての理解を深めていただき、安全に正しく使用するための方法をご紹介いたします。
■リポバッテリーとは
リポバッテリーは「リチウムイオンポリマーバッテリー」の略で、リチウムイオンバッテリーの一種です。
小型で軽量ながら高い電圧を維持出来る事から携帯電話やノートパソコン、カメラ等にも使われています。
主に東京マルイ製電動ガン等で使われているニッカド・ニッケル水素バッテリーのような「メモリー効果」が無いため、充電&放電など頻度の高いコンディション調整を必要とせず、継ぎ足し充電が可能という特徴があります。
■リポバッテリーの数値の見方
リポバッテリーに記載されている数値がそれぞれ何を表しているかご紹介します。
●電圧[V]
電気を押し出す力(電気の勢い)を表す単位。
●放電容量[mAh]
バッテリーの容量を示す単位。
●放電容量係数[C]
そのバッテリーの電流[A]を計算するための係数。
●電流[A]
流れる電機の量を表す単位。下の式で算出が出来る。
放電容量[mAh]×放電容量係数[C]÷1000=電流[A]
■コネクターの違い
一般的な電動ガン用のリポバッテリーからは2本のコネクターが飛び出しています。
片方は充電と放電をするための「バランス(充電)コネクター」で、もう片方は電動ガンと接続するための「出力コネクター」です。
更に「出力コネクター」は大きく分けて2種類が使われいています。
東京マルイ製電動ガン等に使われている「タミヤミニコネクター」と、KRYTACやBCM等の海外製電動ガンに使われている「T型コネクター」です。
■形状と定格電流の違い
●タミヤコネクター(ラージコネクター): 定格電流15A
●タミヤミニコネクター: 定格電流10A
●T型コネクター: 定格電流50A
●ミニT型コネクター: 定格電流30A
定格電流とはコネクターが通す事が出来る許容電流量のことで、例えば1,200mAhで30Cのリポバッテリーの場合、理論上最大で36Aの電流が流れることになります。
しかし、定格電流の許容量が低いとそこがボトルネックとなり、使用中に熱を帯び、最悪の場合コネクター自体が溶ける場合があります。
フルオートでは無くセミオートで連発するような遊び方をする場合も発熱の原因となります。
また、強力なモーターや電子制御基板を搭載している電動ガンは、より多くの電気を必要とするため出力コネクターも適切な物を選ぶ必要があります。
T型コネクターはタミヤコネクターに比べ、定格電流が高いだけでなく、サイズ自体が小さいため省スペースで収納が出来るのも魅力です。
※LayLaxではT型コネクターが予め搭載されたリポバッテリーだけでなく、T型コネクター単体も取り扱っていますのでこちらもご覧ください。
■バッテリーの残量・状態の確認方法
リポバッテリーは残量が減るにつれて電圧が低下し、動作にも影響を及ぼします。
リポバッテリーの残量やコンディションは「チェッカー&バランサー」を使う事で確認と調整が出来ます。
■電圧を確認する(1セル当たりの数値)
リポバッテリーの残量やコンディションは「チェッカー&バランサー」にバランス(充電)コネクターを接続する事で確認が出来ます。
●3.9~3.7V:使用と長期保管に適した状態です。
【注意が必要な電圧】
●
4.3V以上
: 過充電状態。危険ですので発火しても問題の無い場所へ移し様子を見てください。
●
4.2V
: 満充電状態。1日以上この状態にするのはおやめください。
●
3.5V前後
: そのまま保管すると寿命の低下・過放電の原因となるため
充電してください。
●
3.0V未満
: 過放電状態。直ちに使用をやめ、廃棄してください。再充電は出来ません。
■セルバランスを確認する
リポバッテリーの各セルの電圧差が0.1V以上ある場合は「チェッカー&バランサー」のバランスモードでセルバランスを整えてください。
■見た目や触って確認する
●リポバッテリーは、使用していく内に、劣化等に伴って膨らむことがあります。パンパンに膨れた状態では破裂・発火の原因となりますので廃棄してください。
●外皮が剥がれたり破損している場合は充電・使用はおやめください。
●発熱している場合は使用しないでください。
※電動ガンで使用した直後もバッテリーが熱くなります。トラブルによる発熱ではない場合は、常温に冷ましてから充電をしてください。
※細かい設定・数値等はお使いのリポバッテリーの取扱説明書に明記されている内容をご確認ください。
■充電の仕方
はじめに、リポバッテリーの発火事故の多くは「誤った方法で充電を行う」事が原因となります。
リポバッテリーの充電を行う際は、必ずリポバッテリー専用の充電器を使い、正しい設定方法である事を確認してから充電を開始してください。誤ってニッカドバッテリー用・ニッケル水素バッテリー用の充電器や設定で充電してしまうと、発火等の重大な事故の原因となります。
また、細かい設定が可能な上級クラスの充電器を使用される場合でも、設定を誤ると発火事故に繋がります。
充電器は出来るだけ同じメーカーで統一する事をオススメします。LayLaxで取り扱っているGIGA TEC リポバッテリーシリーズの充電には「マルチ充電器 マルチチャージャー エボ BTC-01」をお使いください。
リポバッテリーを充電する際は必ず「セーフティバッグ」にバッテリーを入れた状態で充電してください。
充電中は事故防止のため、充電器・バッテリーのそばから離れず、十分な監視のもとで行なってください。
※充電器は充電中に発熱するため、セーフティバッグの外に出した状態で充電してください。
■保管の仕方
●使用しない場合は、必ず電動ガンから外してください。電動ガンに接続したまま放置すると過放電や膨らみの原因となります。
●満充電の状態で1日以上放置、保管はしないでください。満充電の場合は「チェッカー&バランサー」で保管用電圧になるまで調整してから保管し、年3~6回は電圧をチェックして管理してください。
●リポバッテリーは必ず「セーフティバッグ」に入れた状態で、通期の良い涼しく安全な場所で保管してください。サバゲーに行く時に持ち運ぶ際も必ず「セーフティバッグ」に入れておきましょう。
※30℃以上の高温となる場所(車内、火気や暖房器具の近く、直射日光のあたる場所等)、燃えやすいものが近くにある場所、湿気の多い場所などには置かないでください。
■リポバッテリーの処分・廃棄方法
●地域の規則を確認する: まず、地域の廃棄物処理の規則やガイドラインを確認してください。
●完全に放電させる: 安全のため、バッテリーを完全に放電させることが必要です。3%以上の濃度の塩水を作成し、それをバケツやトレーに入れておきます。その塩水にリポバッテリーを1つずつ完全に浸かるように入れ、3日以上放置してください。「チェッカー&バランサー」で電圧が0になっていれば完了です。
■最後に
リポバッテリーは誤った使用方法・充電方法に十分気を付ける事で事故のリスクを回避する事が出来ます。お使いのリポバッテリーや充電器の取扱説明書を十分に理解してお使いください。
LayLaxではリポバッテリーだけでなく、リポバッテリーを扱う上で必要になってくるアイテムを多数ご用意しております。
電動ガンのLiPo化をするためのカスタムパーツ等もございますので、是非チェックしてみてください。